協会コラム ~だから、Medicell~
Vol.44 お馴染みターンオーバー
皮膚のターンオーバーはみなさんもご存知のように、皮膚の表面にある表皮の細胞が新しく生まれ変わり、古い角質が自然に剥がれ落ちる、肌の新陳代謝サイクルのことですね。お肌の健康と綺麗なお肌を保つための大切なメカニズムです。
皮膚のターンオーバーとは、表皮が4層構造(基底層→有棘層→顆粒層→角質層)で成り立っていて、最下層の基底層で作られる角化細胞(ケラチノサイト)が、徐々に上に押し上げられて角質層へ達して、最後は垢やフケとなって剥がれ落ちます。

そのための期間は約28日(20代では)といわれますね。加齢やストレスなどにより、延びることもあります。ターンオーバーが乱れると、肌荒れ・くすみ・乾燥・ニキビなどの原因になります。
ターンオーバーに関わる皮膚の層構造は以下の通り。
層 | 特徴 | 主な働き |
基底層 | 細胞分裂が活発 | 新しい皮膚細胞を生み出す |
有棘層 | 細胞の連結 | 外的刺激に対するバリア機能 |
顆粒層 | ケラトヒアリン生成 | 角化(角質形成)の準備 |
角質層 | 死んだ細胞(角質) | 肌の保護・保湿・バリア機能 |
ターンオーバーが乱れる原因には、加齢(細胞分裂の衰え)、紫外線(活性酸素によるDNAの損傷)、睡眠不足(成長ホルモンの分泌低下)、ストレス(自律神経やホルモンの乱れ)、栄養不足(ビタミンA・C・亜鉛などの不足)、肌への過剰な刺激(摩擦・洗顔しすぎ)などがあるとされます。

ターンオーバーを促進・正常化するために必要なのは、睡眠改善による成長ホルモン分泌促進。成長ホルモンの働きによってターンオーバーが起きるのですね。睡眠とお肌のコンディションには深い関係があるのですね。
そして、皮膚の基底層つまり深いところにある毛細血管の血流が、ターンオーバーにとって大切です。毛細血管の血流をよくすることはなかなかハードルが高いのですが、皮膚への快適な刺激によって、毛細血管の拡張を促すことができます。
毛細血管の拡張によって血流が増えるのですが、それは自律神経系の働きによって行われます。

お肌の健康にはホルモンつまり内分泌系の働きも大変関係が深くて、そこも自律神経系と深く関係しています。お肌の健康とお肌を綺麗に保つためには、常にターンオーバーが盛んにおこなわれている状態にすることが重要。
睡眠を良くすることと、皮膚の毛細血管の血流を良くすることが、さらには自律神経の働きを整えるためのケアをする習慣づくりをお勧めします。
筆者:竹内 研(一般社団法人日本メディセル療法協会理事・学術委員長)