協会コラム ~だから、Medicell~
Vol.21 ジャンプ力は筋肉それとも筋膜?
垂直跳びという体力測定があります。両足で立って、沈んで、真上に跳ぶ。ジャンプ力は色々なスポーツのパフォーマンスと関係があります。
バレーボールやバスケットボールでは、ジャンプ力が必要。サッカーのジャンプヘディングや、野球のジャンピングキャッチなど、あげたらたくさんあります。ジャンプ力とはパワー。
パワーとは、どれくらいの筋力が、どれくらいのスピードで出されたか、ということです。それが証拠に、スローな動きでは、ジャンプはできない。それに、ジャンプ力は空中に跳び上がる動きだけではなくて、例えば短距離走のスタートダッシュとか、サッカーのキック力とか、ラグビーのタックルとか、柔道で投げ技をかける時とか、瞬間的にパワーを出す動作は、ジャンプ力と関係が深いです。
重量挙げの選手が、大変優れたジャンプ力を持っていることをご存知でしょうか。重量挙げのハイクリーンやジャークという種目は、両足ジャンプとよく似た動作を、高速度で行わなくてはならないから。重量挙げの選手は短距離走、例えば30m走とかは、とても早く、素晴らしいダッシュ力を持っています。
筋肉が高速度で伸び縮みすると、強いパワーが出るのですが。研究が進んで、筋肉もさることながら、筋肉に連結している腱の伸び縮みが、大きな役割を果たしていることが解ってきました。膜が筋肉や腱に密着した状態だと、スピーディーに伸び縮みしにくくなります。
さらに、筋肉を包んでいる筋膜、腱を包んでいる腱膜、などが繋がっていて、伸び縮みすることによって産まれる力を、色々な筋肉や腱に伝える役割を果たしていると解ってきました。
膜は広い範囲で繋がっているので、膜が軟らかくなると、体の広いパーツがスムーズにかつスピーディーに動くと共に、力が伝わっていくのです。
その結果、動きのパワーが大きくなる。
パワーを強くするためには、膜にも注目ですね。
筆者:竹内 研(一般社団法人日本メディセル療法協会理事・学術委員長)