協会コラム ~だから、Medicell~
Vol.55 ハムストリングス再び・三度・四度・・・・・・
アスリートのパフォーマンスを向上するためには、ハムストリングスが重要だということが広く言われだしたのは、今からさかのぼること30年前くらいからではないでしょうか。

そのきっかけとして良く知られているのは、陸上競技短距離選手の筋力測定。被験者は、当時世界トップランナーでカリスマ的な存在だったかのカール・ルイス選手。そして日本人のトップランナーだった高野進選手。大腿四頭筋とハムストリングスの等速性筋力が測定されました。
当時は、様々なスポーツにおいて、大腿四頭筋の筋力向上が重視されている時代でした。その結果はいかに。
カール・ルイス選手は、大腿四頭筋の等速性筋力とハムストリングスの等速性筋力の差が比較的小さかった。
一方、高野進選手は、この差が大きかった。もちろん大腿四頭筋の筋力の方が格段に強かった。
カール・ルイス選手はロサンゼルスオリンピックで陸上競技4冠、四つの金メダルを獲得した、文字通り世界ナンバーワン。
この結果が公になって、多くの選手や指導者が衝撃を受けた。

その後、科学的な研究の蓄積や、現場での探究によって、ハムストリングスが重要視されてきました。
陸上競技で走るフォームも、ハムストリングスを活用するフォームへと、明らかに変化していきました。

ちなみに、ハムストリングスを鍛える筋トレの種目として良く知られているのが、レッグカール。確かに、レッグカールはハムストリングスを使いますが、ここに盲点があります。それは、ハムストリングスの一つの大腿二頭筋は、膝関節の屈曲だけではなく、股関節の伸展も行います。なので、レッグカールのみでは、ハムストリングスをフルに稼働させることはできません。
この様な動作のメカニズムが大切であることに加えて、ハムストリングスを稼働するためには、大腿四頭筋が必要以上に緊張しないことが必要です。
大腿四頭筋を弛緩させると、ハムストリングスを活用しやすくなります。
筆者:竹内 研(一般社団法人日本メディセル療法協会理事・学術委員長)