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協会コラムVol.29 有酸素能力そして膜

協会コラム ~だから、Medicell~
Vol.29 有酸素能力そして膜

1970年代、ケネス・H・クーパー博士が提唱した「エアロビクス」理論が、先進国でブレイクしました。アメリカの空軍の医師だったクーパー博士は、兵士たちを対象にした、膨大な数の体力測定の結果から、有酸素能力が高いほど、虚血性心疾患などの疾患の罹患率が低いことを見つけ出しました。そうして、健康づくりを目的とした運動としてエアロビクスつまり有酸素運動を推奨したのです。

有酸素能力最大酸素摂取量を測定して評価されます。つまり、酸素を取り込む能力で、その人が最大に摂取することができる能力。この最大酸素摂取量が多いほど、虚血性心疾患などの疾患の罹患率が低いとされています。

そこで、健康維持・増進のためには、最大酸素摂取量が増える運動、つまり有酸素運動をしましょうと。ジョギングなどに代表されるような、十数分間以上動き続けるような運動ですね。そして、運動中の脈拍数も、ある水準以上にキープする。要するに、運動中に多くの酸素を摂取し利用するような運動です。

有酸素運動を継続して行うことによって、心臓の容積が大きくなったり、血管の弾力性が保たれたり、といった変化が起きることがわかっています。

クーパー博士のエアロビクス理論が提唱されて以来、瞬く間に有酸素運動ブームが広がって、そのブームは今日に至っています。ジョギングブームはその流れの一環ですね。フィットネスクラブが誕生し、あちこちに設立されたのも、この流れの中で起きました。

有酸素運動呼吸循環器系の働きに影響を与えるのですが、やがて時間の経過とともに、筋肉系にも焦点が向けられてきて、昨今の筋トレブームへと、時代が進んできました。

ではここからは?

明らかなひとつの流れの始まりは「膜」です。筋膜の名前がポピュラーになりつつ、科学的研究でも靭帯の膜の機能が解明されてきました。

筆者:竹内 研(一般社団法人日本メディセル療法協会理事・学術委員長)

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